2015年8月28日金曜日

9月2日に公開ミーティングが行われます

公開ミーティングについてのお知らせです

DIRECTOR'S DESKを囲んで 日比野館長&美術館サポーター&一般参加公開ミーティング』アートまるケット・プレ企画


 日比野館長が4月に就任し、5か月になろうとしています。この度、館長と美術館サポーターの公開ミーティングを実施することにしました。一般の方もこのミーティングに参加していただくことができます。美術館の今後について一緒に考えてくださる方、どうぞ話の輪に加わってください。
5日から開催する「日比野克彦ディレクション アートまるケット 花は色の棲家」のプレ企画を兼ねて行いますので、今回は「色のものを身に着けること」というドレスコードのようなものがあります。楽しんでお考えください。
なお、作品保護のため館内へは生花を持ち込めませんのでご注意ください。
 取材が入るかもしれませんのでご承知ください。

□会 期・・・・平成27年9月2日(水)

□時 間・・・・13:30~14:30

□場 所・・・・岐阜県美術館多目的ホール(岐阜市宇佐4-1-22)
TEL:058-271-1313


□担当…学芸部 サポーター担当 村瀬 範弘

2015年8月11日火曜日

川合玉堂の新収蔵作品、初披露! 企画展「日韓近代美術家のまなざし」会場にて!!

 7月9日に開幕した企画展、『日韓近代美術家のまなざし―「朝鮮」で描く』。
日韓国交正常化50周年記念事業として行われる本展は、両国の近代美術家の交流に焦点をあてた初めての試みで、日本と韓国の近代美術研究者がチームを組んで協力しながら、意欲的に幅広いジャンルの作家(なんと130人を超えています!)の作品・資料を集めたという、大規模な展覧会です。
7月17日(中京圏はこの日台風直撃でしたね)の夜間開館日に行われた作品鑑賞会をはじめ、出品作家の李ジュンソプと山本方子夫妻のドキュメンタリー映画「ふたつの祖国、ひとつの愛~イ・ジュンソプの妻~」の上映(7月18日)、木歌さんのコンサート「海を越える歌」(7月20日)、井内佳津恵さん(北海道立近代美術館)と冨田康子さん(横須賀美術館)による二つの美術講演会(7月19日、7月26日)、ポジャギのワークショップ(7月25日)、そして美術講座(8月1日)と、週末ごとに開催してきたイベントが一段落したところで、担当学芸員もほっと息をついております。

 さて、本展では8月4日から一部の作品を入れ替えて、後期の展示となりました。
前期の展示の目玉は、土田麦僊《平牀》(京都市美術館蔵)や山口蓬春《市場》(東京藝術大学蔵)などの名品でした。
後期は、慶州(キョンジュ)の少年と馬を描いた川﨑小虎の名品《荒涼》(東京藝術大学蔵)をはじめ、釜山(プサン)の風景を爽やかに表現した都路華香《東萊里(トンネリ)の朝・萬年臺(マンニョンデ)の夕》(京都市美術館蔵)、華やかな女性像が目を引く野田九浦《朝鮮風俗》(武蔵野市立吉祥寺美術館蔵)と、珠玉の作品の数々が登場しております。
 それらと一緒に、岐阜県美術館の今年度の新収蔵作品第一号(!)、川合玉堂《柳蔭閑話図(りゅういんかんわず)》が特別展示されています。初めてのお披露目として、日韓近代美術展の会場で8月23日まで公開中です。

(写真 川合玉堂《柳蔭閑話図》)

 近代日本画の巨匠・川合玉堂(1873~1957)は、愛知県に生まれ、岐阜市で少年時代を過ごした人です。はじめ京都で、のちに東京で日本画を学びました。岐阜県ゆかりの重要な作家として、岐阜県美術館では、玉堂の企画展を開催するとともに作品を収集してきました。これまで当館が収蔵してきた玉堂作品は、日本画30点。ほかに素描1点、手紙(掛軸に仕立てられたものを含めて)等の資料が十数点あります。まだ17歳の作である《老松図》から、玉堂らしい風景画のスタイルを確立した明治期の《日光裏見瀧》、第8回文部省美術展覧会(文展)出品作《駒ヶ岳》(大正3年)、昭和期の名品《老松蒼鷹》(昭和3年、六曲一双屏風)と《深林宿雪》(昭和11年、掛軸)、花鳥画の佳作である《野末の秋》(昭和2年)、《藤》(昭和4年)等が収蔵作品の代表といえるでしょう。半数以上は明治期の制作で、大正や昭和の作品はやや少なく、戦後の作品は《山村積雪》一点のみです。

 大正11(1922)年作の《柳蔭閑話図》は、同年に始まった第1回朝鮮美術展覧会の審査員として、5月から6月にかけて玉堂が朝鮮半島を訪れた時の取材によって生まれた作品です。この朝鮮への旅行は、玉堂にとって、生涯ただ一度の海外渡航でした。本作品は、第4回帝国美術院展覧会(帝展)に出品された際に、「屋根の瓦が日に受けた面白味、白衣の韓人が柳の蔭に閑話する有様、柳を掠めて飛んで行く鳥の面白さ、垣の石のかき方等、何等の細工をせずにあの感じを出したのは大家たる手腕を見ることが出来る。」(古川修、雑誌『太陽』大正11年11月号)と好評を博しました。その後、男爵・大倉喜七郎の所蔵となり、昭和5(1930)年に大倉男爵推薦の一点として、ローマ日本美術展覧会に出品されています。さらに1930年代には、時期は定かでありませんが、朝鮮の李王家美術館の日本美術特別陳列として展示されたことが、図録等の資料から確認されています。

 そのように、玉堂の代表作として海外でも複数回紹介されていたにもかかわらず、本作品は戦後、所在不明となって久しく世に出ることがありませんでした。
2年前の平成25(2013)年、本作品は彗星のごとく時を経て再び現れ、山種美術館での生誕130年記念の川合玉堂展に出品されました。約70年ぶりの公開で、マスメディアに話題として取り上げられました。公開の直後から、岐阜県美術館は「所蔵者が作品を手放したいと考えている」という情報を得て、粘り強く交渉をした結果、本作品を購入するはこびとなりました。

 本作品は、玉堂作品の中で、画題も技法もきわめて特異なものとして注目されます。特に金箔の実験的な使用法に驚かされます。普通は絵絹を用いて行う「裏箔(うらはく)」という技法を、極薄の和紙を使って試みているのです。金箔の上に極薄の和紙を重ね、その上から絵を描き着色するという複雑な技法です。発表当時の展評でも「紙をあれ丈(だけ)つかひこなした技巧の老熟を思はせる」(古川修、前掲書)と批評家を感心させました。本作品は、大正期の玉堂の積極的な表現研究の一端が見られる、貴重な一点といえるでしょう。

 当然ではありますが、本作品は、「日韓近代美術家のまなざし」展の出品候補作品にあがっていました。購入交渉と同時に出品依頼も並行してすすめていたのですが、企画展出品については残念ながら、交渉がまとまりませんでした。今回、本作品が岐阜県美術館の所蔵となったことで、展示期間の半分ですが、特別に「日韓近代美術家のまなざし」展出品作と同時に、同空間で鑑賞できる機会を設けました。8月23日までの展示です、ぜひ多くの美術ファン、玉堂作品のファンに見ていただきたいと願っております。



 朝鮮という、自分にとって未知の外国風景を実体験したことによって、玉堂は、現地の風景から大いに刺激を受け、それと同時に、自分がこれまで描き続けてきた日本の風景の特徴、日本の原風景とは何かについて、改めて考えたはずです。そして、湿度の高いしっとりした情景が大きな特徴であることを感じたに違いありません。その思いこそが、《深林宿雪》(昭和11年、当館蔵)や《彩雨》(昭和15年、東京国立近代美術館蔵)といった、昭和期の格調高く情感豊かな画境に到達するきっかけになったのではないでしょうか。

 大正期の風景表現の研究のキーとなる代表作《柳蔭閑話図》が加わることで、明治から大正、昭和戦前期まで、重要な作品を系統立てて玉堂作品を展示することが可能となりました。これまで収集してきた30点の作品とともに、「岐阜県美術館ならではの川合玉堂の展示」を、ぜひ試みていきたいと思っています。

それと同時に、「日韓近代美術家のまなざし」展のように、同時代・同空間に生きた他の美術家の作品と組み合わせて展示することにより、その作品が作家一人の世界の内にとどまっている間は見えてこなかった、秘められた側面に気づかされることも期待しています。あと二週間の特別展示の期間中、作品を見続けて、いろいろと発見したいと思っています。(青山)

2015年8月9日日曜日

「小さな藤田嗣治展 準備日記4」

なんと予想に反して準備日記が第4回目を迎えました。
こんな筆まめなことは今までありません。
自分の日記はノートを買った初日に数日後の分まで書いて終わってしまうのに。

ここで気づいたのですが、わたくし、肝心なことをみなさまにお伝えし忘れていました。
会期等の基本情報です。

大変申し訳ございません…。

会期:2015911日(金)~2015111日(日)
開館時間:10時~18時、第3金曜日は20時まで開館
(展示室への入場は閉館30分前まで)
休館日:914日(月)、24日(木)、28日(月)、
105日(月)、10日(土)、13日(火)、19日(月)、26日(日)
観覧料:一般   当日700円(600円)、前売500
大学生 当日500円(400円)、前売300
     高校生以下無料
    ※( )内は20名以上の団体割引料金。
     ☆猫フォト割、映画「FOUJITA」割あります。

…広報印刷物の原稿を作成している時も思ったのですが、前売料金、安すぎませんか?
特に大学生!通常の所蔵品観覧券が220円ですから、あと70円足せばいいなんて!



一瞬データを打ち間違えたかと思いました。
そんなわけで担当Hに何度も確認してしまいました。
結果はこの金額で合っていました。安いですね~~~!

この展覧会、たしかに通常所蔵品展示で使用している部屋3つだけを使うので、展示面積としては小規模です。
しかし、内容がギューッッと濃縮されています。濃いです。全然薄くないです。
今までに紹介されたことのないフジタの一面を知ることができる展覧内容になっています。
今後これらが一堂に会すことはないのでは…と思います。
この価格で見ることができるなんて、見逃したら損です!

910月は運動会があり、お忙しいと思いますが、忘れないで見に来てくださいね。
それから祝日が多いので、休館日が変則的になります。お出かけになる前にチェックしてくださいね。
ちなみに前売券は、(展覧会オープン前日(910)まで販売しています。
当館及びチケットぴあ、ローソンチケットをご利用ください。

(MM)


2015年8月8日土曜日

「小さな藤田嗣治展 準備日記3」

みなさんは展覧会のチラシやポスターを見る機会はありますか?
展示会場だけでなく、こうした広報印刷物には、展覧会担当者の思いが詰まっているものです。
あまり見たことがないな~、というそこのあなた!
だいたい各美術館や文化施設に掲示していますから、ちょっと注目してみてください‼‼

さてさて、小さな藤田嗣治展の印刷物も力を入れていますよ!
10年後に見ても新鮮なデザインを」
「宝石を見るかのようなかんじに」
「作品は原寸で1点だけ入れたい」

たくさんの希望をデザイナーに託しました。
そして6月下旬、デザイン第1号が出てきました。
おぉ~っ‼! 担当のHもMもひとめぼれしちゃいました♡
思わず、翌日出演することになっていたラジオ番組で話す内容をこの印刷物の話に変えてしまうほど。
(ラジオ関係者の皆様、本当にすみません

詳しくは見てのお楽しみとしますが、なんでしょうね、とにかく美しいんです!!
もはや広報物を越えて作品になっていました。
担当Hはチケットのデザインがお気に入りです
こうして形になっていく楽しさを知ってしまうと、日に日に濃くなる目の下のクマも気にならなくなるのです。
このデザイン案がそのまま通るといいな~…。

それから今回は印刷物ではもう一つ目玉があります。
それは展覧会公式図録。
図録と言ってもただの図録じゃないんですよ~!きっとみなさん見たことのない図録だと思います!!
こちらも同時並行で制作しています。こちらも詳細は出来上がるまでひみつ。
自信を持ってお届けしますので、ぜひ手にとってみてくださいね。
  (注!!)作るのに手間と時間がかかるので、数量が限られます。
本当はたくさん作りたいのですがお許しください。
取り扱いは当館売店のみです。ご興味のある方はお早めに。

ところで、藤田嗣治といえば、著作物使用申請の許可が下りるのに時間がかかる作家のひとりでもあります。
写真図版などのそばに、「©」マークを見たことはありませんか?
あれが著作権者を表すコピーライトマークです。
美術品に限らず、世の中のさまざまな著作物には著作権が存在し、使用する場合はきちんと著作権者に申請する必要があります。

当然、今回もこの問題があります。
(前回の猫コーナーといい、問題発生の多い展覧会だなぁ
本展に出品する作品は、ほとんど公に公開されたことのない作品ばかり。
もちろんレゾネ(全作品集)にも未掲載。
さらに広報印刷物も、図録も、おおよそ美術館が作る印刷物では見たことのないものだから、申請先にとっても前例がないため、許可が下りるまでに余計に時間がかかるんです。

現在申請真っ最中。書類作りだけでも大変です。
申請先に言われるがままに、とにかくひたすら申請に必要な書類を作っています。
でも書類を作って通るなら、どれだけでも作るぞ!という意気込みで、猛スピードで作成しています。
ここ数日間の学芸員室での私は、もしかしたら獲物を見据える猛禽類のように、他のスタッフの目に映っているかもしれません。

とはいえ申請先のフランスはヴァカンスシーズン大丈夫かなぁ。。。
まぁ、心配しても仕方ないんですけどね。大丈夫、きっと間に合う(と思う)。


MM)